時効の援用で信用情報は回復するか
1 信用情報は回復する
クレジットカードやローンの審査の際に参照される信用情報ですが、信用情報に借金の情報が残っているとそれらの審査で弾かれて、クレジットカードが作れなかったり、車のローンが組めなくなったりしてしまいます。
結論から言えば、時効の援用は「借金をなくす手続」ではあるため、信用情報から借金の情報がなくなります。
しかし、信用情報が回復する時期、つまり、新たにカードを作ったりローンを組めたりする時期は、まちまちです。
以下で、ご説明します。
2 信用情報の仕組み
信用情報機関には、以下の3種類があります。
株式会社シー・アイ・シー(CIC):完済から5年
株式会社日本信用情報機構(JICC):完済から5年
全国銀行個人信用情報センター(KSC):開始決定から7年か完済から5年のいずれか遅い方
違いとしては、各信用情報機関ごとに、登録している会社が異なります。
信用情報の仕組みとしては、長期の延滞や保証の実行が行われると、貸金業者から信用情報機関に報告が行われ、信用情報機関に登録されます。
そして、借金の返済が終わると貸金業者から信用情報機関に報告が行われ、完済の報告から5年すると、信用情報から削除されます。
3 信用情報がすぐには回復しないこともある。
時効援用を行い、時効の中断・更新事由がないということになると、貸金業者から信用情報機関に報告がされます。
このとき、信用情報を削除するように報告がされる場合もあり、その場合は手続き後数か月程度で信用情報が回復します。
一方で、信用情報機関への報告が、通常の「完済」と同じ報告がされる場合もあります。
その場合は、報告から5年して初めて信用情報が消えることになるので、時効援用をしてもすぐに信用情報が回復しないことになってしまいます。
4 自動的に信用情報が消えないこともある
多くの貸金業者は、時効援用が成立した時点で、自発的に信用情報機関への報告を行ってくれます。
しかし、稀に、こちらから依頼をしないと信用情報機関への報告を行ってもらえない場合もあります。
その場合は、こちらから催促をしない限り信用情報が消えないことになってしまうので、よく確認をする必要があるでしょう。